うなぎ業界 家計調査 2026年版 2026年10月21日

家計調査で見るうなぎの消費
かば焼きの支出は7月に3分の1以上。月別・都市別データの読み方【2026年版】

この記事の結論

  • 2025年の「うなぎのかば焼き」への支出は1世帯当たり年2,678円で、その約35%にあたる934円が7月に集中しています。
  • 都市別(2023〜2025年平均)では浜松市が5,039円で全国平均2,551円の約2倍、福岡市と札幌市は全国より低めです。
  • 家庭で買ったかば焼きの統計で、うなぎ屋での食事や店の持ち帰りは「外食」に入るため、店の売上とは分けて読む必要があります。

うなぎには「夏の食べもの」というイメージがありますが、実際にどれくらい夏に偏っているのでしょうか。総務省統計局の家計調査には「うなぎのかば焼き」という品目があり、家庭がかば焼きにいくら使ったかを、月別・都市別に確かめられます。本記事では、2025年までの年次データ、2026年7月までの月別データ、2023〜2025年平均の都市別ランキングを表で示し、そこから言えること・言えないこと、そしてうなぎ屋の営業にどう活かすかを整理します。数字はすべて二人以上の世帯の1世帯当たりの支出金額です。

家計調査の「うなぎのかば焼き」は何を数えている?

家計調査の「うなぎのかば焼き」は、家庭が買ったうなぎのかば焼き(白焼き・素焼きを含む)への支出金額です。うなぎ屋で食べた代金や、飲食店から持ち帰り・出前で買ったうなぎは「外食」に分類され、この品目には入りません。

家計調査は、総務省統計局が毎月行っている調査です。全国から無作為に選んだ約9,000世帯に家計簿をつけてもらい、収入と支出を集計しています(二人以上の世帯は約8,000世帯)。「うなぎのかば焼き」は、食料のうち「調理食品」のひとつです。飲食店から買ったものは外食に入るので、この品目に入るのは、スーパーなど飲食店以外で買ったかば焼きです。

数字を見る前に知っておきたい6つの注意点

注意点内容
外食は含まない飲食店が出した料理は、店内・出前・宅配・持ち帰りの別なく「外食」に分類される。外食にはうなぎだけの品目はない
金額だけで、量は分からない「うなぎのかば焼き」は購入数量を集計していない品目。値段が上がれば、買った量が同じでも金額は増える
1世帯当たりの平均買わなかった世帯も含めた平均。「買った人が1回にいくら使ったか」ではない
二人以上の世帯本記事の数字は二人以上の世帯の結果。一人暮らしの世帯は含まない
標本調査で、ぶれがある都市別は都市によって約100世帯と少なく、買う頻度の低い品目ほど数字がぶれやすい。統計局は複数の月を平均した数字を使うなどの工夫をすすめている
2018年の家計簿の改正2018年1月に家計簿を改正しており、2018年をまたぐ比較では、その影響を含むことに注意が必要

出典:総務省統計局「収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)」「家計調査に関するQ&A」、家計調査年報(2025年)「品目分類の統計表を見る上での注意」

年間の支出はいくら?2000年からの推移

2025年の「うなぎのかば焼き」への支出は、1世帯当たり年2,678円でした。2000年の4,776円から大きく減り、2012年の2,082円が最も少なく、その後は2,000円台で上下しています。

年1世帯当たり年間支出金額
2000年4,776円
2005年3,939円
2010年3,052円
2012年2,082円(2000年以降で最少)
2015年2,436円
2019年2,114円
2020年2,686円
2021年2,860円
2022年2,581円
2023年2,471円
2024年2,503円
2025年2,678円

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年」第6-1表(二人以上の世帯、2026年8月7日公開)

2025年の支出は、2000年の約56%の水準です。ただし、この数字は金額だけなので、家庭が買う量が減ったのか、値段が変わったのかは区別できません。2018年の家計簿の改正をまたぐ比較にも注意が必要です。うなぎの値段が上下するしくみは、別の統計や資料で確かめる必要があります。

月別:7月に3分の1以上が集中、年末は?

家庭のかば焼きへの支出は、毎年7月に年間の3分の1以上が集中しています。2025年は7月が934円で年間の約35%、6〜8月の3か月では約56%でした。12月は11月より増えますが、7月の6分の1ほどにとどまります。

月2023年2024年2025年2026年
1月8910290102
2月7295104110
3月104129140156
4月140139160185
5月144169155206
6月217227272318
7月947858934946
8月268296294―
9月134146154―
10月112119119―
11月10596106―
12月140127149―
年計2,4712,5032,678―

単位:円(二人以上の世帯の1世帯当たり支出金額)。出典:総務省統計局「家計調査 長期時系列表」品目分類(全品目)支出金額(月)(2026年は7月分まで、2026年9月4日公開)、年計は家計調査年報。月の合計と年計は四捨五入の関係で一致しないことがあります

表から言えること

月の数字は「ぶれ」も含む

家計調査は標本調査なので、1か月だけの数字には「ぶれ」があります。特定の月の増減を読みすぎず、3年分を並べて共通する形を見るのが安全です。上の表でも、7月に山があり冬に谷がある形は3年とも同じです。

季節の波に強いうなぎ屋を考える方へ

猫家FCは、店内に加えてテイクアウトとデリバリーも取り入れたうなぎ屋です。
加盟金150万円(保証金込み)、ロイヤリティは売上の4%(最初の3店舗は3%)。

都市別:浜松市は全国平均の約2倍

都道府県庁所在市と政令指定都市の52都市で比べると、2023〜2025年平均で最も多いのは浜松市の5,039円で、全国平均(2,551円)の約2倍です。上位10都市には、静岡県の浜松市・静岡市、京都市・堺市・和歌山市・神戸市・大阪市などの近畿の都市、東京都区部・川崎市、松江市が入っています。少ないのは福岡市(1,295円)と札幌市(1,387円)です。

順位都市年間支出金額
1位浜松市5,039円
2位京都市3,683円
3位堺市3,593円
4位和歌山市3,566円
5位松江市3,552円
6位静岡市3,388円
7位神戸市3,282円
8位東京都区部3,126円
9位川崎市3,078円
10位大阪市3,074円
16位千葉市2,686円
51位札幌市1,387円
52位福岡市1,295円
―全国2,551円

出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」調理食品

1位の浜松市と52位の福岡市では、約3.9倍の差があります。ただし、この表は家庭で買ったかば焼きの比較です。外でうなぎを食べる習慣の地域差は、この統計には表れません。また、都市によっては調査世帯が約100世帯と少ないため、順位が近い都市どうしの差は「ぶれ」の範囲かもしれません。なぜその都市で多いのかという理由も、家計調査からは分かりません。

うなぎ屋の営業にどう活かすか

家計調査は、家庭のうなぎ需要の「季節の波」と「地域差」をつかむ目安として使い、自分の店の売上の記録と合わせて、仕入れ・人の手配・販促の計画に活かします。店の売上そのものを表す数字ではない点だけは、忘れないようにしてください。

時期家計調査で見える動き店でやること
1〜2月1年で最も少ない固定費の見直し、常連のお客さまへの案内、夏の計画づくり
3〜5月少しずつ増える夏の予約の受け方を決める、仕入れと人手の相談を始める
6月はっきり増え始める予約受付の告知、繁忙期の人員の手配、仕込みの段取り
7月年間の3分の1以上予約と受け渡しの段取り、作れる数に合わせた予約の上限
8〜9月7月より少ないが平月より多い夏に来たお客さまへの次回の案内
10〜11月再び少なくなる秋冬の販促、贈答の準備
12月11月より増える(夏ほどではない)年末の持ち帰り・贈り物の案内

7月の山は「6月から」準備する

支出は6月からはっきり増えます。予約の告知、仕入れの相談、人の手配は6月に入る前に決めておくと、7月に慌てずに済みます。7月は作れる数が売上の上限になるので、予約の上限を決めておくことも大切です。繁忙期の段取りは土用の丑の日に売上は何倍になる?で解説しています。

冬の谷は「数字で見て」備える

1〜2月と10〜11月は、家庭のかば焼きへの支出が少ない時期です。この谷を前提に固定費を軽くし、秋冬の販促を早めに考えておきます。具体的な打ち手はうなぎ屋の秋冬・オフシーズン対策、年末の贈り物の需要はうなぎのギフト・贈答需要を取り込む方法をご覧ください。

出店地を考えるときは「材料の一つ」に

都市別の数字は、地域の好みを知る手がかりになります。ただ、家庭のかば焼きだけの比較で、ぶれもあります。実際の候補地では、人の流れや競合店、家賃などの商圏調査と合わせて判断してください。商圏の見方はうなぎ屋の立地選びと商圏調査で解説しています。

自分の店の数字と並べてみる

開業したら、月ごとの売上を記録し、家計調査の月別の形と並べてみましょう。店の売上が7月に偏りすぎていれば通年の売り方を、冬の落ち込みが家庭の支出より大きければ秋冬の販促を見直すきっかけになります。毎月見る数字の決め方はうなぎ屋の数字管理をご覧ください。

猫家FCの場合

猫家は千葉県四街道市のうなぎ屋で、店内でのご提供に加えて、テイクアウトとデリバリーサービス(Uber Eats・出前館など)も取り入れています。席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすい形です。

蒸してから焼く関東風で、特製のタレと、通常の約1.25倍の特大の国産うなぎを使います。FCでは、うなぎの仕入れは本部が担い、値段はお店ごとに自分で決められます。うなぎ屋に必要なことは研修とマニュアルで教えるので、料理の経験がなくても始められます。加盟金は150万円(保証金込み)で物件・設備費は別途、ロイヤリティは売上の4%(最初の3店舗はモデルケースとして3%)です。まだ加盟店はなく、最初の3店舗を募集しています。

まずは、お気軽にご相談ください

猫家FCは自分のうなぎ屋を繁盛させたい方を募集しています。
加盟条件について、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

家計調査では、うなぎのかば焼きに1世帯が年いくら使っていますか?
2025年は、二人以上の世帯で1世帯当たり年2,678円でした。かば焼きを買わなかった世帯も含めた平均です。2000年は4,776円で、2012年の2,082円が2000年以降で最も少ない年でした。
うなぎのかば焼きが一番買われる月はいつですか?
7月です。2025年は7月が934円で、年間の約35%を占めました。次に多いのは8月(294円)と6月(272円)で、1〜2月が最も少なくなっています。
うなぎのかば焼きへの支出が多い都市はどこですか?
2023〜2025年平均では浜松市が5,039円で1位、全国平均2,551円の約2倍です。京都市、堺市、和歌山市、松江市が続きます。少ないのは福岡市と札幌市です。
うなぎ屋で食べた分や、店の持ち帰りも含まれますか?
含まれません。飲食店が出した料理は、店内・出前・宅配・持ち帰りの別なく「外食」に分類されます。外食にはうなぎだけの品目がないため、店でのうなぎの消費は家計調査では単独で見られません。
何グラム買ったかという購入量は分かりますか?
分かりません。「うなぎのかば焼き」は購入数量を集計していない品目です。金額は値段と量の両方で変わるため、支出が増えても、買う量が増えたとは言い切れません。