いまの飲食店にうなぎを加える方法
メニュー追加・業態転換の判断と手順【2026年版】
この記事の結論
- 既存店がうなぎを始める方法は、メニューに加えるか、うなぎ屋に業態転換するかの2つで、いまの売上の状況で選びます。
- うなぎ専用の免許はなく、店内で出すならいまの営業許可の範囲ですが、改装や作り置きの販売は保健所への確認が必要です。
- 自分で始めるかFCに加盟するかは、仕入れと調理の習得を自分の力で解決できるかで考えると判断しやすくなります。
居酒屋や定食屋、和食店などのいまのお店に、うなぎを加えたい。あるいは、店ごとうなぎ屋に変えたい。そう考えたときに大切なのは、「メニュー追加」と「業態転換」のどちらで始めるかを先に決めることです。本記事では、既存の飲食店がうなぎを始めるメリット、気をつけること、判断の目安、手順を順番に整理します。
目次
1. 既存の飲食店がうなぎを加えるメリット 2. 始める前に気をつけること 3. メニュー追加と業態転換の違いと判断の目安 4. うなぎを始めるまでの手順 5. 自分で始める場合とFCに加盟する場合の違い 6. 猫家FCの場合 7. よくある質問(FAQ)既存の飲食店がうなぎを加えるメリット
既存の飲食店がうなぎを加えるおもなメリットは、客単価を上げやすいこと、昼などの空いている時間を売上に変えやすいこと、テイクアウトやデリバリーと組み合わせやすいことの3つです。ゼロから開業するのと違い、店舗・厨房・常連のお客さま・スタッフといった、いまある資産をそのまま使えることも強みです。
客単価を上げやすい
うなぎは「ちょっといい日に食べたい料理」として選ばれることが多い食材です。うな重やうな丼は1品の値段が高めなので、同じ客数でも売上を伸ばしやすいメニューになります。居酒屋なら締めの一品、定食屋や和食店なら品書きのいちばん上の価格帯に置くと、ふだんより少しぜいたくをしたいお客さまの受け皿になります。
昼などの空き時間を売上に変えやすい
夜が中心の居酒屋は、昼のあいだ店が空いていることがよくあります。家賃は営業していない時間にもかかるので、空いている時間に売上をつくれれば、固定費の負担を分散できます。うな重は1品で食事が完結するため、ランチ営業のメニューを少なく絞っても成り立ちやすいのが特長です。品数を絞れば、仕込みと人手も少なくすみます。
テイクアウト・デリバリーと組み合わせやすい
うな重やうな丼は、器に詰めて持ち帰りやすい料理です。お祝いや家族の集まりなど、家でゆっくり食べたいという需要もあります。席数が少ないお店でも、テイクアウトやデリバリーを組み合わせれば、客席の数に縛られずに売上を上乗せできます。考え方はうなぎ屋のデリバリー活用で解説しています。
いまある資産を使える
新しく店を開くなら、物件・内装・厨房設備・スタッフ・お客さま集めをすべてゼロから始めます。既存店ならこれらの多くがすでにそろっているので、うなぎに必要な道具や設備を足す形で、新規開業より小さく始めやすくなります。
「うなぎで何を変えたいか」を先に決める
客単価を上げたいのか、昼の売上をつくりたいのか、店の看板そのものを変えたいのか。目的によって、メニュー追加と業態転換のどちらが合うかが変わります。目的があいまいなまま始めると、どの数字で成果を判断すればよいのかもわからなくなります。
始める前に気をつけること
始める前に気をつけることは、仕入れ、調理の習得、保健所の営業許可の範囲、ロス、いまのお客さまとのバランスの5つです。どれも、始めてから気づくと、手直しに費用と時間がかかります。
1. 仕入れ:値段が動く食材だと知っておく
うなぎは、仕入れ値が動きやすい食材です。水産庁の資料でも、うなぎの稚魚(シラスウナギ)の取引価格は、年によって大きく上下しています。どこから、どんな状態で、どれくらいの量を仕入れるかを決め、仕入れ値が上がったときに値段をどうするかも、先に考えておきましょう。仕入れルートの種類はうなぎの仕入れ方法と仕入れルートで解説しています。
2. 調理の習得:身につける時間を見込む
うなぎは、蒸し方や焼き方で味が大きく変わる、むずかしい食材です。始める日までに、だれが、どこで、どれくらい練習するかを決めておきましょう。焼ける人が1人だけだと、その人が休んだ日に出せなくなるので、2人以上で回せる形が理想です。
3. 保健所:いまの営業許可の範囲を確かめる
うなぎを扱うための専用の免許や許可はありません(くわしくはうなぎの資格・免許ガイド)。食品衛生法の「飲食店営業」は、食品を調理したり、設備を設けて客に飲食させたりする営業のことです。そのため、店内でうなぎを調理して出すことは、いまの飲食店営業許可の範囲と考えられます。ただし、次のような場合は手続きが必要になることがあります。
| やりたいこと | 確認すること(自治体の案内の例) |
|---|---|
| 注文を受けてから調理し、すぐにテイクアウト・デリバリーで渡す | 店内で出しているメニューなら、新たな許可は不要(柏市・大阪府) |
| 作り置きして包装・保管して売る/ネットで売る/ほかの店で売る | 届出や新たな許可が必要な場合がある(柏市) |
| 厨房を改装する・設備を変える | 「施設の構造及び設備」の変更は変更届の対象で、図面を添付する(千葉県)。工事の前に保健所に相談しておく |
| 店名・屋号を変える | 「施設の名称、屋号又は商号」の変更は変更届の対象(千葉県) |
| 営業する人(個人・法人)が変わる | 変更届ではなく、新しい営業者による許可申請などが必要(千葉県) |
手続きのくわしい扱いは、自治体によって違います。改装や売り方を変える前に、管轄の保健所に相談するのがいちばん確実です。また、2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者に「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」が求められています。HACCPは、食中毒などの危険を工程ごとに管理するやり方のことです。うなぎを加えたら、衛生管理の計画や記録にも、うなぎの工程を入れておきましょう。
4. ロス:売れ残りの損が大きい
うなぎは単価の高い食材なので、売れ残ったときの損も大きくなります。始めたばかりのころは、どれくらい売れるかが読めません。1日の数を決めて売り切る、予約を中心にする、曜日ごとの販売数を記録する、といった工夫でロスを小さくしましょう。具体的な方法はうなぎ屋の食材ロスを減らす方法をご覧ください。
5. いまのお客さまとのバランス
常連のお客さまは、「いつものお店」を目当てに来ています。看板やメニュー、値段の帯を急に変えると、離れてしまう方が出ることもあります。メニュー追加なら、いまの人気メニューは残しましょう。業態転換なら、切り替えの前から店内やSNSで知らせて、準備の期間をとることが大切です。また、うなぎの調理に手をとられていつものメニューの提供が遅れないよう、厨房の動きと人手も見直しておきましょう。
メニュー追加と業態転換の違いと判断の目安
メニュー追加は、いまの店の看板と営業を続けたまま、うなぎを品書きの1つとして加える方法です。業態転換は、店そのものをうなぎ屋に変える方法です。いまの業態で売上が立っているならメニュー追加から、いまの業態の集客に限界を感じていて店ごと変えたいなら業態転換、というのが目安になります。
| 比べる点 | メニュー追加 | 業態転換 |
|---|---|---|
| 変わるもの | 品書きにうなぎが加わる | 店名・看板・品書き・営業時間まで変わることがある |
| はじめの費用 | 小さめ(調理道具・容器・試作など) | 大きめ(改装・看板・告知など) |
| いまのお客さまへの影響 | 小さい | 大きい(離れる人も、新しく来る人もいる) |
| 売上の変わり方 | いまの売上に上乗せ | 売上の中身が入れ替わる |
| やめるとき | やめやすい | 元に戻しにくい |
| 向いているお店 | いまの業態で売上が立っている | いまの業態の集客に限界を感じている |
判断の目安(チェックリスト)
次の項目に答えてみると、どちらが合うかが見えてきます。
- いまのメニューの売上は、これからも見込めるか(見込めるならメニュー追加向き)
- 昼など、店が空いている時間があるか(あるならメニュー追加で埋めやすい)
- 厨房に、うなぎを焼くための場所や道具を置く余地があるか
- うなぎを調理できる人を、2人以上確保できるか
- いまのお客さまに、うなぎを喜んでくれそうな層がいるか
- 改装や告知にかける資金と時間があるか(あるなら業態転換も選べる)
迷ったら「小さく試してから広げる」
迷う場合は、期間限定・曜日限定・数量限定のメニューとして試すのがおすすめです。反応を見て定番にし、うなぎの売上が店の柱になってきたら業態転換を考える。こうした段階の踏み方なら、いきなり店を変えるよりも、うまくいかなかったときの傷が浅くすみます。
うなぎの導入を考えている方へ
猫家FCは、いまのお店にうなぎを取り入れたい方、業態を変えてリニューアルしたい方も加盟の対象です。
加盟金150万円(保証金込み)、ロイヤリティ売上の4%(最初の3店舗は3%)。
うなぎを始めるまでの手順
手順は、①目的と形を決める→②仕入れ先を決める→③調理を身につける→④保健所に確認する→⑤値段とメニューを決める→⑥試験販売→⑦本格的に始めるの順です。業態転換の場合は、④と並行して改装と告知の準備を進めます。
① 目的と形を決める
客単価を上げたいのか、昼の売上をつくりたいのか、店を変えたいのかを決め、メニュー追加か業態転換かを選びます。店内だけで出すのか、テイクアウトやデリバリーもするのかも、この段階で決めておきます。
② 仕入れ先を決める
うなぎの仕入れ先と、仕入れる状態・量・頻度を決めます。値段が動く食材なので、仕入れ値が変わったときにどう対応するかも、仕入れ先と話しておきましょう。
③ 調理を身につける
焼く人を決めて、練習の期間をとります。本番と同じ道具・同じ手順で何度も作り、だれが作っても同じ味になるよう、手順を書き出しておくと安心です。
④ 保健所に確認する
設備を変える、屋号を変える、作り置きして売る、といった予定があれば、管轄の保健所に相談します。改装するなら、工事の前に図面を持って相談するのが基本です。
⑤ 値段とメニューを決める
仕入れ値、容器代、デリバリーの手数料などを入れて値段を決めます。うなぎは原価が高めなので、ドリンクや小鉢などと組み合わせて、お店全体で利益を残す考え方が大切です。組み立て方はうなぎ屋のメニュー構成と価格設計をご覧ください。
⑥ 試験販売で反応を見る
期間や数を限って出し、売れた数、売れた曜日や時間帯、お客さまの声を記録します。この記録が、本格的に始めるときの仕入れ量と人の配置を決める材料になります。
⑦ 本格的に始める
店頭の掲示やSNS、地図アプリのお店情報で知らせて始めます。始めたあとも、原価率と販売数を毎月見直しましょう。
補助金は「公募があれば使えるかもしれない」と考える
設備や販路開拓の費用には、国や自治体の補助金が使えることがあります。たとえば、小規模事業者が商工会議所・商工会の支援を受けながら行う販路開拓などを支える「小規模事業者持続化補助金」や、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出などを支える「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。2026年10月時点の公式サイトでは、前者の第20回(一般型 通常枠・商工会議所地区)は2026年11月5日から12月15日まで受け付ける予定、後者の第1回は2026年10月30日が締め切りと案内されています。ただし、どちらも要件があり、補助金は原則として後払い(精算払い)です。名前や公募の有無は変わりやすいので、必ず公式サイトで確認してください。
自分で始める場合とFCに加盟する場合の違い
自分で始めると、本部への支払いがなく、すべて自由に決められる代わりに、仕入れ先探し・調理の習得・メニューづくりを自分で行います。FCに加盟すると、加盟金やロイヤリティを払う代わりに、本部の仕入れや研修などの仕組みを使えます。どちらが合うかは、仕入れと調理を自分の力で解決できるかで考えると、はっきりします。
| 比べる点 | 自分で始める | FCに加盟する |
|---|---|---|
| 本部への支払い | ない | 加盟金・ロイヤリティなど |
| 仕入れ | 自分で探して交渉する | 本部の仕組みを使える(内容は本部による) |
| 調理の習得 | 独学・修行・経験者の採用 | 本部の研修・マニュアル |
| メニューと値段 | すべて自分で決める | 本部の決まりの範囲で決める(自由度は本部による) |
| 契約上の決まり | ない | 契約期間・解約の条件などを守る |
| 向いている人 | うなぎの調理経験や仕入れのあてがある人 | 未経験の人、早く形にしたい人、仕入れの不安を減らしたい人 |
既存店がFCを選ぶときに確かめたいこと
既存店の加盟では、新規開業とは違う点も確かめる必要があります。
- いまのお店の営業を続けたまま、うなぎを加える形で加盟できるか
- ロイヤリティは、どの売上をもとに計算するのか
- いまのメニューや店名を残せるのか、変える必要があるのか
- 契約期間と、やめるときの条件
飲食業も対象になる中小小売商業振興法では、要件にあたるFC本部に対して、契約を結ぶ前に、事業の概要や契約の主な内容を書面で渡して説明することを義務づけています(中小企業庁)。この書面と説明で、上の点を確かめておきましょう。個人開業とFCの比べ方はうなぎ屋は個人開業とFC加盟どちらが得かでも整理しています。
猫家FCの場合
猫家FCは、いまのお店にうなぎを取り入れたい方と、業態を変えてリニューアルしたい方も、加盟の対象にしています。飲食店が未経験の方も対象です。
うなぎ屋に必要なことは研修とマニュアルで
うなぎは、蒸し方や焼き方ひとつで味が大きく変わる、むずかしい食材です。猫家FCでは、そこも含めて、うなぎ屋に必要なことを研修とマニュアルでお教えします。料理の経験がなくても始められます。
仕入れは本部、値段はお店ごとに
うなぎの仕入れは本部が担います。値段はお店ごとに自分で決められます。大手チェーン店より安い値段で出しても、利益が出せる仕入れです。
店内・テイクアウト・デリバリーを組み合わせる
猫家は、千葉県四街道市に本店がある、関東風(蒸してから焼く)のうなぎ屋です。特製のタレと、通常の約1.25倍の特大の国産うなぎを使っています。店内でのご提供に加えて、テイクアウトとデリバリーサービス(Uber Eats・出前館など)も取り入れているので、席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすい形です。
加盟の費用
加盟金は150万円(保証金込み)で、物件・設備費は別途かかります。ロイヤリティは売上の4%(最初の3店舗はモデルケースとして3%)です。まだ加盟店はなく、いまは最初の3店舗を募集しています。新しく物件を探す場合は、物件の条件を見ながら候補地をいっしょに考えます。いまのお店での進め方は、フォームからご相談ください。加盟の条件や流れは、猫家FCのよくある質問にまとめています。
まずは、お気軽にご相談ください
猫家FCは自分のお店を繁盛させたい方を募集しています。
いまのお店へのうなぎの導入や業態転換についても、まずはお気軽にご相談ください。