この記事の結論

  • 利益率を上げるには、固定費の削減、メニュー構成の見直し、少人数運営、リピーター施策、販売チャネルの追加が有効です。
  • 利益率を下げる主な原因は、高すぎる家賃、人件費の管理不足、膨らんだ集客コスト、食品ロス、安すぎる値付けです。
  • 本質的な改善には、日々の節約だけでなく、家賃や人件費といった固定費の構造そのものを見直すことが大切です。

飲食店の利益率とは?3つの利益率の違い

飲食店の「利益率」と一口に言っても、実はいくつかの種類があります。正確に理解しておきましょう。

利益率の種類 計算式 一般飲食店の平均(公庫調査)
粗利益率(売上総利益率) (売上 - 原価)÷ 売上 × 100 65.0%
営業利益率 (売上 - 原価 - 販管費)÷ 売上 × 100 マイナス2.2%(黒字の企業では4.3%)
経常利益率 (営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用)÷ 売上 × 100 マイナス0.9%(黒字の企業では4.8%)

出典:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(2025年度調査)の「一般飲食店」の平均値。公庫が融資した従業者50人未満の法人企業が対象で、決算期は2024年7月以降です。( )内は、黒字で自己資本もプラスの企業の平均です。

飲食店経営で最も注目すべきは営業利益率です。本業でどれだけ利益が出ているかを表す数字で、実際の「手残り」に近い指標です。公的な統計で見ると、小さな飲食店の営業利益率は平均でマイナスになっており、利益を残すのはかんたんではないことがわかります。

利益率を決める4つの要素

業態ごとの利益率を比べた公的な統計はないため、「この業態は利益率が高い」とは言い切れません。同じ業態でも、利益率は次の4つの要素の組み合わせで大きく変わります。

要素 利益率への影響 確かめたいこと
原価(食材・容器など) 原価が上がると、売上から原価を引いた粗利益が減る 仕入れ値、メニューごとの原価、食品ロス
人件費 公庫の調査では、一般飲食店の人件費は売上の平均32.9% 営業時間、シフト、何人で回すか
家賃 売上に関係なく毎月かかる固定費 物件の広さ・立地、売上に対する割合
その他の経費 水道光熱費・広告費・手数料・ロイヤリティなども利益を減らす 売上に対する割合を毎月チェック

ポイント:利益率は業態の名前では決まりません。自分の店の売上に対して、原価・人件費・家賃・その他の経費がそれぞれ何%かを毎月確かめることが、利益率を上げる第一歩です。

利益率が低くなる5つの原因

原因1:家賃比率が高すぎる

飲食店の家賃比率は売上の10%以下が理想とされています。しかし、駅前や繁華街の好立地にこだわると家賃比率が15〜20%に達し、利益を大きく圧迫します。特に開業初期は売上が安定しないため、高い家賃は致命的なリスクになります。

原因2:人件費のコントロールができていない

日本政策金融公庫の調査では、一般飲食店の人件費は売上の平均32.9%です。アルバイトのシフト管理が甘く、閑散時間にもフルスタッフで営業していると、人件費の割合はさらに上がってしまいます。売上予測に基づいたシフト管理の精緻化が急務です。

原因3:集客コストが膨らんでいる

グルメサイトへの掲載料、SNS広告、チラシ配布など、集客にかかるコストは見えにくい形で利益を蝕みます。月間の広告宣伝費を売上の3〜5%に抑えるのが適正です。リピーターの育成により新規集客コストを下げる施策が重要です。

原因4:食品ロスが多い

食材の廃棄は「見えない赤字」です。日本の飲食店では平均して仕入れの3〜5%が廃棄されていると言われています。発注精度の向上と在庫管理の改善で、この割合を1%以下にすることは十分可能です。

原因5:メニュー単価が低すぎる

「安くしないと客が来ない」という思い込みから、適正価格以下でメニューを提供している飲食店は少なくありません。品質に見合った価格設定と価値の訴求ができれば、値上げしても客離れは最小限に抑えられます。

飲食店の利益率を上げる5つの方法

方法1:固定費を構造的に削減する

利益率改善の最も効果的な方法は、固定費の構造的な削減です。具体的には、より安い物件への移転、営業時間の最適化(アイドルタイムの削減)、テイクアウト比率の引き上げなどが挙げられます。思い切ってテイクアウト専門にシフトすれば、家賃を50〜70%削減できます。

方法2:メニュー構成を利益率基準で再設計する

各メニューの粗利額を算出し、利益貢献度の高いメニューを軸にした構成に変更します。「ABC分析」を活用し、利益貢献度の低いメニューは思い切って廃止し、高粗利メニューのおすすめ導線を強化しましょう。

方法3:少人数オペレーションを実現する

人件費は、原価とならぶ大きなコストです。調理工程の見直し、セルフサービスの導入、テイクアウトやデリバリーの活用によって、少ない人数でも回せる形を考えましょう。

方法4:リピーター施策で集客コストを下げる

新規のお客さまを集めるより、来てくれたお客さまにまた来てもらうほうが、費用を抑えやすくなります。LINE公式アカウントやポイントカードを活用したリピーター育成に注力することで、広告費を削減しながら安定した売上を確保できます。

方法5:テイクアウト・デリバリーチャネルを追加する

既存のイートイン店舗でも、テイクアウトやデリバリーを追加することで客席数の制約を超えた売上増が可能です。特にうなぎのように持ち帰りニーズの高い商品は、テイクアウト売上比率を30〜50%まで引き上げられるポテンシャルがあります。

テイクアウト専門店が利益率に有利な理由

テイクアウト専門店には、費用の面で利益を残しやすい構造があります。ただし実際の利益率は物件や運営しだいで、業態だけで決まるわけではありません。その構造的な理由を3つ解説します。

理由1:家賃を抑えやすい

テイクアウト専門店は客席が要らないため、小さな物件でも営業できます。物件が小さくなれば、家賃も抑えやすくなります。家賃は売上に関係なく毎月かかる固定費なので、ここが軽くなると利益が残りやすくなります。

理由2:ホールスタッフが不要

接客・配膳・片付けといったホール業務が少なくなるため、人件費を抑えやすくなります。調理に専念できるので品質も安定しやすくなります。

理由3:売上の上限がない

イートイン店舗は席数と回転率で売上の天井が決まりますが、テイクアウト専門店は予約注文を含めた販売数で売上が決まるため、理論上の上限がありません。忙しい時間帯は予約制にすることで、効率的な生産計画を立てられます。

猫家FCの仕入れと値段の考え方

猫家フランチャイズは、店内でのご提供に加えて、テイクアウトやデリバリーも取り入れています。席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすいため、利益を残しやすい構造をめざしています。

もうひとつの特徴が仕入れです。猫家は仕入れがしっかりしているので、値段はお店ごとに自分で決められます。大手チェーン店より安い値段で出しても、利益が出せる仕入れです。うなぎの仕入れは本部が担います。

実際に残る金額は、物件や人件費、運営状況によって変わります。

高単価・小規模のうなぎ屋を始めませんか?

猫家FCのビジネスモデルを無料相談で詳しくご説明します。加盟金150万円(保証金込み)。

無料相談はこちら

まとめ:利益率改善は「構造」を変えること

飲食店の利益率を本質的に改善するには、日々のコスト削減だけでなく、ビジネスモデルの「構造」そのものを見直すことが重要です。テイクアウトやデリバリーの活用や、客単価の高いメニューへの見直しは、利益率を改善する選択肢のひとつです。

飲食店の利益率に悩んでいる方、これから開業を検討している方は、まず「どんな構造のビジネスにするか」を考えることから始めてみてください。猫家FCでは、加盟条件や仕入れについてのご相談を随時受け付けています。

よくある質問

飲食店の平均利益率はどのくらい?
日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度調査)では、一般飲食店の営業利益率は平均でマイナス2.2%でした(黒字で自己資本もプラスの企業に限ると4.3%)。業態ごとの利益率を比べた公的な統計はないため、原価・人件費・家賃などを自分の店の数字で確かめることが大切です。
飲食店の利益率が低い原因は何?
主な原因は家賃比率の高さ(売上の10%以上)、人件費の過多、食品ロス、集客コストの増大です。特にイートイン店舗では固定費が大きくなりやすく、利益率を圧迫します。
テイクアウト専門店の利益率が高い理由は?
テイクアウト専門店は、客席スペースが要らず家賃を抑えやすい、ホールスタッフが少なくて済み人件費を抑えやすい、席数で売上の上限が決まらない、の3点で、費用の面では利益を残しやすい構造です。ただし実際の利益率は物件や運営しだいで、業態だけで決まるわけではありません。
飲食店の利益率を上げるにはどうすればいい?
固定費の見直し(家賃交渉・省スペース化)、メニュー単価の最適化、人件費の効率化(省人化オペレーション)、集客コストの削減(リピート率向上)、テイクアウト導入による新たな売上チャネルの確保が有効です。
利益率の高い飲食業態は?
業態ごとの利益率を比べた公的な統計はないため、「この業態がいちばん利益率が高い」とは言えません。利益率を決めるのは、原価・人件費・家賃・その他の経費の組み合わせです。客単価、仕入れの条件、何人で回すか、物件の広さを、自分の計画の数字で確かめましょう。