飲食店は儲かるのか?業界の現実
飲食業は、日本政策金融公庫の追跡調査でも開業5年以内の廃業割合が業種別で最も高い、厳しい世界です。しかしその一方で、正しい業態選びと収益設計で安定的に利益を出し続けているオーナーも数多く存在します。
飲食店が儲かるかどうかを決める最大の要因は「どの業態を選ぶか」です。同じ飲食店でも、客単価・原価率・家賃・人件費の組み合わせによって、手元に残る利益は大きく変わります。
つまり、飲食店で儲けるためには「業態の利益構造」を理解したうえで参入することが何より重要です。以下では、飲食店オーナーのリアルな年収データから、具体的に儲かる業態の特徴まで順を追って解説していきます。
飲食店オーナーの年収はいくら?
「飲食店オーナーの年収」は、業態・立地・運営形態によって大きく異なります。まずは業態別の年収目安を確認しましょう。
| 業態 | 年収目安 | 備考 |
|---|---|---|
| カフェ・喫茶店 | 200〜400万円 | 客単価が低く薄利 |
| ラーメン店 | 300〜600万円 | 回転率勝負、体力消耗大 |
| 居酒屋 | 350〜700万円 | 深夜営業で人件費増 |
| 焼肉店 | 500〜900万円 | 高単価だが初期投資大 |
| 高単価テイクアウト専門店 | 400〜800万円 | 低固定費で利益率高 |
| うなぎ専門店 | 500〜1,000万円 | 高単価+ブランド力 |
注目すべきは高単価テイクアウト専門店のコストパフォーマンスの高さです。初期投資が少ないにもかかわらず、年収400〜800万円を実現できる業態は多くありません。
年収を上げる3つのポイント
- 複数店舗展開:2店舗目以降は仕組み化で効率UP
- 夫婦経営:人件費ゼロで利益率を最大化
- FC加盟:仕入れ・集客の仕組みを本部から提供
飲食店オーナーの年収を決めるのは「売上」ではなく「利益率」です。月商が大きくても固定費が重ければ手取りは減ります。次のセクションで、儲かる飲食店に共通する5つの特徴を見ていきましょう。
儲かる飲食店の5つの特徴
利益を残しやすい飲食店に共通する、儲かる飲食店の5つの特徴を解説します。
特徴1:高い粗利率を確保している
儲かる飲食店は、原価率だけでなく「1食あたりの粗利額」を重視しています。客単価800円で原価率30%の場合、粗利は560円。一方、客単価3,000円で原価率40%でも粗利は1,800円です。原価率が高くても、客単価が高ければ粗利額は3倍以上になります。
うなぎやステーキなど高級食材を使った業態は、原価率こそ高めですが1食あたりの粗利額を確保しやすいのが特徴です。
特徴2:固定費(家賃・人件費)が低い
飲食店の利益を最も圧迫するのが家賃と人件費です。儲かる飲食店は、店の広さや席数を身の丈に合わせ、何人で回すかを考えて、これらの固定費を抑えています。テイクアウトやデリバリーを取り入れれば、席数に縛られずに売上を足すこともできます。
特徴3:リピーター比率が高い
新規集客には広告費がかかりますが、リピーターは無料で来店してくれます。儲かる飲食店はリピート率60%以上を目標に、商品力とLINE会員施策で常連客を育てています。
特にうなぎなど「定期的に食べたくなる」嗜好品は、自然とリピーターが生まれやすい商材です。
特徴4:ブランド力がある
「安いから選ばれる」店は価格競争に巻き込まれて利益が出ません。儲かる飲食店は「この店だから買う」というブランド力を構築しています。専門店としてのこだわり、素材へのストーリー、見た目のインパクトが差別化の源泉です。
フランチャイズ加盟の場合、本部のブランド力を活用できるため、個人開業に比べて早期にブランド認知を獲得できます。
特徴5:オペレーション効率が高い
儲かる飲食店はメニュー数を絞り込み、調理工程をシンプルに体系化しています。メニューが少ないほど食材ロスが減り、オペレーションの生産性が上がります。
うなぎ・唐揚げ・焼肉弁当などの専門店業態は、メニューを絞りやすく、オペレーションの効率を上げやすい業態です。
業態の選び方:何を比べるか
「どの業態がいちばん儲かるか」を示す公的な統計はありません。同じ業態でも、立地・家賃・人件費で結果は大きく変わります。業態を選ぶときは、次の点を自分の条件で比べてみましょう。
| 比べる点 | 見るポイント |
|---|---|
| 客単価 | 1人あたりいくら使ってもらえるか。高いほど、少ない販売数でも売上を作りやすい |
| 原価率 | 売上に対する材料費の割合。率だけでなく、1食あたりの粗利額で見る |
| 家賃 | 必要な広さと席数。店内・テイクアウト・デリバリーの組み合わせで変わる |
| 人件費 | 何人で回す前提の業態か |
| 初期費用の総額 | 加盟金だけでなく、物件・内装・設備・運転資金まで含めていくらかかるか |
一般に、客単価が高く、少ない人数で回せる業態ほど、売上が小さくても利益を残しやすくなります。ただし原価率や家賃が高ければ、その分手残りは減ります。本部の試算をうのみにせず、自分の条件で計算することが大切です。
うなぎ業態の収益構造の考え方
儲かる飲食店の具体例として、うなぎ業態の収益構造を見てみましょう。なお、この章の数字は一般的な計算例で、特定の店舗や猫家の実績ではありません。
うなぎ業態の収益構造
うなぎ専門店の最大の強みは客単価の高さです。一般的な飲食店との比較で見てみましょう。
| 項目 | うなぎ専門店 | 一般飲食店 |
|---|---|---|
| 客単価 | 2,000〜4,000円 | 800〜1,500円 |
| 原価率 | 35〜45% | 25〜35% |
| 1食あたり粗利 | 1,100〜2,600円 | 520〜1,125円 |
原価率だけを見るとうなぎの方が高く見えますが、注目すべきは1食あたりの粗利額です。客単価3,000円・原価率40%の場合、1食あたりの粗利は1,800円。表の条件なら、一般的な飲食店より1食あたりの粗利額を確保しやすいことがわかります。
うなぎ業態で成功するための3条件
- 高単価商品の価値を伝える:国産うなぎの品質・焼き方・タレの独自性で、スーパーの安価なうなぎと差別化
- 安定した仕入れルートの確保:うなぎは天候・漁獲量で価格変動が激しい食材。安定して仕入れられるルートを確保する
- 固定費を身の丈に合わせる:店の広さや席数、何人で回すかを考えて、家賃と人件費を抑える
猫家FCで、うなぎ屋を始める
うなぎ屋のフランチャイズ「猫家」は、蒸してから焼く関東風のうなぎ屋です。テイクアウト専門店ではなく、店内でのご提供に加えてテイクアウトやデリバリーサービス(Uber Eats・出前館など)も取り入れ、席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすい形にしています。加盟金は150万円(保証金込み)で物件・設備費は別途、ロイヤリティは売上の4%(最初の3店舗はモデルケースとして3%)です。
猫家FCの特徴
- 値段は自分で決められる:仕入れがしっかりしているので、値段はお店ごとに自分で決められます。大手チェーン店より安い値段で出しても、利益が出せる仕入れです
- うなぎの仕入れは本部:うなぎの仕入れは本部が担います
- 研修とマニュアル:うなぎ屋に必要なことは、研修とマニュアルでお教えします
- 小さなお店でも:テイクアウトやデリバリーも取り入れているため、席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすい