うなぎ業界 供給リスク 2026年版 2026年8月26日

シラスウナギ不漁と供給リスク
うなぎ屋が備えるべき3つの対策【2026年版】

うなぎ屋を事業として続けるうえで、避けて通れないのが「そもそもうなぎが手に入らなくなるリスク」です。価格の高騰は対処のしようがありますが、供給そのものが細れば商売が成立しません。本記事では、シラスウナギ(稚魚)の資源問題といううなぎ業界の構造的リスクを整理し、店舗経営者として現実的に備えられることを解説します。

なぜ供給が不安定なのか

うなぎの供給問題を理解するには、養殖の仕組みを知る必要があります。

養殖うなぎは「天然の稚魚」に依存している

「養殖うなぎ」と呼ばれるものは、天然のシラスウナギを捕獲して育てたものです。卵から育てる完全養殖は技術的には成功していますが、商業ベースでの量産には至っていないのが2026年時点の状況です。

つまり、うなぎの供給量は天然資源の獲れ高に完全に左右される構造にあります。詳しい仕組みはうなぎ養殖の現状と仕組みで解説しています。

シラスウナギの漁獲は年ごとに大きく変動する

シラスウナギの来遊量は、海流や水温といった人間がコントロールできない要因に左右されます。豊漁の年もあれば、極端な不漁の年もあり、その変動幅は非常に大きくなります。

構造的リスクである理由

天然資源に依存している以上、努力や技術で供給量を増やすことができません。これがうなぎ業界の最も根本的なリスクです。

供給リスクを高める3つの要因

要因1:資源保護と規制強化

ニホンウナギは資源状況への懸念から、国際的な保護の議論の対象となってきました。漁獲量の管理や取引規制が強化される可能性は常に存在します。資源回復のためには必要な措置ですが、短期的には供給を絞る方向に働きます。

要因2:国際的な需要の増加

うなぎを消費するのは日本だけではありません。アジア圏を中心に需要が拡大しており、限られた資源をめぐる競争が起きています。価格面で「買い負ける」局面も生じ得ます。

要因3:養殖業者の減少

稚魚価格の高騰や経営環境の厳しさから、養殖事業者自体が減少すれば、その分だけ供給能力も落ちます。川上の産業構造の変化は、川下の店舗にも影響します。

店舗経営者が備えるべき3つの対策

対策1:仕入れルートを一つに依存しない

供給が細る局面では、取引先が1社だけという状態が最大のリスクになります。その1社が確保できなければ、店が止まります。複数のルートを持つ、あるいは調達力のある組織を通じて仕入れることでリスクを分散します。

対策2:うなぎ一本足にしない

供給が途絶えたときに売るものが何もない状態は避けたいところです。うなぎを主軸としつつ、関連する商品構成を持っておくことで、仕入れが厳しい時期にも売上を維持しやすくなります。

対策3:固定費を軽くしておく

供給不足で売上が落ちても、家賃や人件費は変わらず発生します。固定費が軽ければ、厳しい時期を耐える体力が長く保てます。これは価格高騰・不漁・災害など、あらゆる外部リスクに共通する備えです。

リスク起きること備え
価格高騰原価率が上振れし利益を圧迫価格転嫁の設計・固定費の軽減
供給不足仕入れ量が確保できないルートの複線化・調達力のある組織の活用
規制強化取引条件が変わる可能性情報収集・仕入れ先との関係維持

仕入れリスクを一人で背負わない

猫家FCは本部が仕入れルートを担い、加盟店の調達リスクを軽減する設計です。
仕入れ体制と収支モデルをご確認ください。

長期的な希望:完全養殖技術

悲観的な話ばかりではありません。完全養殖の実用化に向けた研究は継続しています。

技術的には成功している

卵から成魚まで育て、その成魚から次世代を得る完全養殖のサイクル自体は技術的に確立されています。課題は、これを商業規模で安定して行えるかという点です。

実現すれば構造が変わる

完全養殖が商業化されれば、天然資源への依存という根本問題が解消されます。供給が安定し、価格変動も小さくなる可能性があります。うなぎ業界にとっては、構造そのものを変える転換点になり得ます。

現時点での姿勢

完全養殖の商業化がいつ実現するかは不確実です。したがって経営としては、「現在の供給リスクを前提に設計し、技術の進展は上振れ要因として期待する」という姿勢が現実的です。

猫家FCの供給リスクへの考え方

猫家FCは、うなぎ業界の構造的リスクを加盟店に丸投げしないという設計を重視しています。

本部が仕入れルートを担う

個人店が単独で有利な調達条件を確保するのは容易ではありません。本部が仕入れを担当することで、加盟店は価格交渉や調達先の開拓に労力を割かずに済みます。うなぎFCを選ぶうえで、この仕入れ体制こそが最も重要な判断軸です。

固定費の軽い業態設計

テイクアウト専門・10〜15坪程度の小規模モデルにより、家賃と人件費を構造的に抑制。供給や価格の変動で売上が揺れても、耐える体力を確保しやすい設計です。

初期投資350万円という軽さ

借入が小さければ返済も軽くなります。外部環境が悪化したときに耐えられるか——これは投資規模で決まります。小さく始めることは、不確実性の高い業界における合理的な選択です。

本部選びの判断軸はうなぎフランチャイズ本部の選び方で詳しく解説しています。

まずは、あなたの地域で出店できるか確認しませんか?

猫家FCは地域1店舗限定
気になる地域の空き状況は、早い者勝ちです。まずはお気軽にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

なぜうなぎの供給は不安定なのですか?
「養殖うなぎ」が天然のシラスウナギ(稚魚)を捕獲して育てたものだからです。卵から育てる完全養殖は技術的には成功していますが商業ベースの量産には至っておらず、供給量が天然資源の獲れ高に左右される構造になっています。
完全養殖はいつ実用化されますか?
時期を断定することはできません。技術的には卵から成魚を育てるサイクルが確立されていますが、商業規模で安定して行うことが課題です。経営としては現在の供給リスクを前提に設計し、技術の進展は上振れ要因として捉えるのが現実的です。
仕入れが止まるリスクにはどう備えればいいですか?
仕入れルートを一つに依存しないことが基本です。取引先が1社のみという状態は、その1社が確保できなければ店が止まるという最大のリスクになります。複数ルートの確保、または調達力のある組織を通じた仕入れが有効です。
うなぎ以外の商品も扱うべきですか?
リスク分散の観点では有効です。供給が途絶えたときに売るものが何もない状態は避けたいところです。ただし専門店としての強みを損なわない範囲で、うなぎを主軸としつつ関連商品を持つという設計が望ましいでしょう。
個人店とFCでは供給リスクに差がありますか?
差が出やすい部分です。供給が絞られる局面では取引実績や仕入れ規模がものを言うため、個人店が単独で条件を確保するのは容易ではありません。本部が仕入れを担うFCであれば、この調達リスクを軽減できます。ただし本部の仕入れ体制が実際に機能しているかは、加盟前に必ず確認すべき点です。